第4回「中小企業省力化投資補助金」での変更点を解説:採択の鍵は“課題の深掘り”と“技術的裏付け”にあり

第4回「中小企業省力化投資補助金」での変更点を解説
採択の鍵は“課題の深掘り”と“技術的裏付け”にあり

第4回「中小企業省力化投資補助金」が公表

中小企業庁は、2025年10月、第4回「中小企業省力化投資補助金(一般型)」の公募を公開しました。
本補助金は、中小企業が省力化・自動化のための設備を導入する際に、その費用の一部を補助する制度です。

第3回公募と比較すると、公募スケジュールは約3か月後ろ倒しになり、11月上旬から受付が開始される予定です。
また、目的文言に「人手不足の解消」と「賃上げ促進」が明確に追加され、政策的な狙いがより具体化しました。単なる生産性向上支援ではなく、「人が不足する構造をどう乗り越えるか」を問う補助金に進化したと言えます。
(参考:中小企業省力化投資補助事業(一般型)の第4回公募要領を公開しました

第3回との主な違い

申請制限の強化

第4回では、「第1~3回の採択事業者」および「第3回申請中の事業者」は応募できないという制限が新設されました。
複数回申請による重複支援を避け、より多くの事業者に機会を広げる狙いがあります。

審査・加点項目の見直し

「最低賃金引上げに取り組む事業者」への加点が明確化されました。
単なる設備導入だけでなく、賃上げや地域経済への波及効果を伴う取組が高く評価されます。
また、「生産性向上の波及効果」や「地域雇用への寄与」といった社会的視点も審査項目に強調されています。

事業計画書様式の改訂

第4回で最も大きな変更点は、事業計画書(様式2)への記載内容の見直しです。
特に「課題抽出」と「解決方法」の項目が細分化され、より深い分析と根拠が求められる構成になりました。
例えば「導入設備の効果」欄では、作業時間・人員削減率・稼働率など、定量的な根拠を示すことが必須となっています。
この変更により、表面的な説明ではなく、「現場の課題 → 技術的解決策 → 効果の裏付け」という筋道を明確に示す必要が生じています。
参考:補助金審査員に刺さる“深掘り”事業計画書

対象経費・設備要件の柔軟化

AI・IoTを活用した画像認識や工程制御など、デジタル技術に関する設備が新たに例示として追加されました。
従来の「定型的な自動機」だけでなく、データ連携や分析を含むスマート化設備も対象となるため、設備選定の幅が広がっています。

変わっていない点

補助率や上限額については前回と同一で、企業規模ごとに以下のとおりです。

規模補助上限額(通常)賃上げ実施時上限補助率
5人以下750万円1,000万円1/2(2/3)
6~20人1,500万円2,000万円1/2(2/3)
21~50人3,000万円4,000万円1/3
51~100人5,000万円6,500万円1/3
101人以上8,000万円1億円1/3

 

中小企業庁の狙い――「形式から実質」への転換

今回の改訂の背景には、「補助金の実効性」を高めたいという中小企業庁の明確な意図があります。
第3回までは「省力化」そのものを目的とした設備導入が多く見られましたが、第4回では、人手不足という構造的課題をどう解決するかが問われます。

単に「自動化しました」ではなく、

  • どの工程の何がボトルネックなのか

  • それをどう改善し、生産性が何%向上するのか

  • その結果、どのように賃上げや労働環境改善に寄与するのか

といった一連の“論理的ストーリー”を、定量的に説明する力が必要です。
中小企業庁は、これを「形式的な申請書から実質的な事業計画書へ」という転換と位置付けています。

採択を得るために必要なポイント

要件を満たすだけでは不十分

第4回では、要件をただクリアするだけでは採択されません。
重要なのは、「課題設定」と「解決手段」の一貫性です。
たとえば、「人手不足の解消」と言いつつ、設備導入の対象がその課題と直結していない場合、計画書全体の説得力を欠きます。

技術的な裏付けを示す

審査では「なぜその設備なのか?」という質問が想定されています。
この問いに答えるためには、工程構成・作業手順・制約条件などを踏まえた技術的説明が不可欠です。
単なる「便利そうだから導入する」というレベルではなく、現場データに基づく合理的な選定理由を記述することが求められます。

効果の定量化がカギ

サイクルタイム、作業人員、稼働率、不良率といった客観的な指標を用い、
「導入前後の比較」を明確に示すことが採択の決め手になります。
とくに「1人あたり付加価値額」や「労働生産性」の向上率を示すことが、補助金の趣旨に直結します。

事業計画書で技術面の理解が問われる

第4回では、事業計画書の中で「課題分析」や「効果根拠」を記載する欄が増えました。
この部分は、単に数字を埋めるだけでは不十分です。
設備導入によって何が変わるのかを、技術的に説明できるかどうかがポイントになります。

文系コンサルタントが作成する計画書では、財務面や経営戦略には詳しくても、
工程分析や技術的効果の根拠まで踏み込むことが難しい場合があります。
一方、製造現場や設備技術に精通した技術者が関わると、
「どの工程を、どのように自動化し、どれだけ効果が出るのか」を論理的に展開できます。

審査員も技術的知識を持つため、現場感のある説明には高い説得力があります。
第4回ではまさにこの“技術的裏付け”が、採択の分かれ目となるでしょう。

まとめ

第4回「中小企業省力化投資補助金」では、形式的な内容から一歩進み、
課題抽出と解決方法の深掘り、そして技術的裏付けが重視されるようになりました。
中小企業庁の狙いは、「単なる自動化」ではなく、「人手不足構造の解決と賃上げ促進」です。

採択を目指すには、

  • 現場課題を的確に分析し、

  • 技術的根拠に基づいた設備選定を行い、

  • その効果を定量的に示すこと。

これが第4回での最重要ポイントです。
形式的な申請書ではなく、実効性のある事業計画書を作成できるかどうかが、採択の成否を分けます。

One Team 技術士事務所は、中小企業省力化投資補助金を専門に申請支援事業を行っております。

中小企業省力化投資補助金は中小企業に対し、省力化を推し進める投資に対して、最大2/3を補助する大変心強い制度です。

人手不足にお悩みに中小企業の経営者様はぜひ、当事務所にご相談ください。

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